ニューヨークの家

投稿者: | 2018年3月26日

実は今回、事情がありアメリカにしばらく戻れなくなってしまっている。
想定外のことなので、すぐに現地の家を引き払わないといけないんだが、
いかんせん自分が戻れないので、現地の友人に頼らざるを得ない。

こんなに辛いことはない。

友人は「困った時はお互いさま」だと言ってはくれるが、なぜか毎度困るのは橋本で、
そんな時はいつも彼らが支えてきてくれた。

これを書いているまさに今、彼らは私の荷物をパッキングしに、アパートに向かっている。

本来ならば、もう少しスムーズにできることなのだが、
何度か登場している、同居人のオーナーが90歳という歳のせいか、
橋本が日本に戻る前に念のために支払っておいた家賃を
「払っていない(3月分を滞納している)」と言い張っており、
「あなたの友人がその支払いの証明を持っていない限り中には入れない」
「部屋の中のものは全部捨てる」と言い出す始末。

入居時に支払い済みの保証金(家賃1か月分)もあるため、
4月末までは彼女が私の部屋に入ることは許されないんだが、
いかんせん物分かりの悪いオーナーゆえ、本当に鍵を壊して私物を捨てかねない。

文化の違いがいかに深く面白いことなのかを書いている手前、
これもネタになると思おうとする反面、
自分自身、現在日本にいたくているわけではないうえ、
オーナーの「オマエは最低のヤツだ」の一方的な勘違いと感情むき出しの発言は、
ストレス以外の何ものでもない。

が、やはり何よりも辛いのは、
こういう彼女とのやりとりひっくるめて、その友人に任せるしかないこと。

ここで自分ができることをと、
バカみたいに日本の部屋を大掃除してみたりする。

なぜかすべてをリセットしたくなり、
20年以上捨てられずにいたガラクタを10袋ぐらい捨ててみる。
そんな中、彼らから「部屋に入れたよ」との連絡。
懐かしいかつての自室がスマホに写る。
が、
腕まくりして、嫌な顔ひとつしないで段ボールを組み立てる彼らをみると、
そんな部屋もどうでもよく見える。

彼らがいてくれてよかった。

人生にわずかでも、たった1人でも、
自分の恥ずかしいところも、悪いところも全部さらけ出せる友人を持てることは、
自分を褒めてくれる人を持つよりも価値のあることだと思う。

今回のことで、そう思えたことだけは、この運命に感謝したい。

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